“す”こやかなくらし
私達は、酢の文化創造を永遠のテーマに掲げて活動いたします。
酢が飲み物の一つとして、定着するには、珈琲や紅茶、ワイン等のお酒と同様に、酢にも酢固有の文化を背景とした世界観が必要になってくると感じています。酢の美味しさを磨き、歴史的背景を追求しながらも未来に向かって、酢の持つ新たな可能性を創造して参ります。
STORY
はじまりは、
2003年2月、酢ムリヱ®No.0001 内堀光康 が、
日本初となる酢の専門店をオープン。
百貨店の地下2階。
スタートは人通りが少なく寂しい通りだった。
常に変わらずに持ち続けたのは、
おいしい「酢」を
お客様にお届けするという信念。
ほろ苦い記憶や苦労を、原動力に変えたのは
お客様からの「ありがとう」
このかけがない宝物となった経験をもとに、
「酢とくらしの研究所」を設立いたしました。
時代をこえて、世代をこえて、
「酢の美味しさ、楽しさ」を伝えて参ります。
2003年春に
ビネガー専門店オークスハートが誕生する以前は、
酢は、
「健康のために、敢えて酢の酸味を我慢して飲む」
という考えが主流を占めていました。
開店以来、
毎日延べ1万人以上に及ぶ試飲活動を通じて、
「酢は美味しく、楽しいもの」
という概念の普及に努めて参りました。
酢の需要が高まるに連れ、
醸造技術の発達と共に、
酢の味や香りが心地の良いものへと進化する事で、
酢が飲み物の世界へと歩み始めました。
酢ムリヱ®️ No.0001内堀光康
「酢ムリヱ®」とは
「酢の選び方、楽しみ方へのご案内役」です。
この酢ムリヱを正式に名乗り始めたのは、ビネガー専門店オークスハートの出店準備を開始した2004年5月の事です。酢ムリヱという呼称を使用して酢を案内するにことに際し、ソムリエ協会に許可を得るべく問い合わせをいたしました。
ワインの専門家の皆さんが真剣に「ソムリエ」の資格を得ようとして勉強している中、ソムリエを連想させる呼称として、「酢ムリヱ」を名乗り酢の普及活動をすることは、ソムリエの皆さんの活動を冒涜するものにはならないでしょうか?と。
すると、ソムリエ協会から「ワインでなくとも商品の普及にソムリエを連想していただけるような活動はむしろ歓迎です。頑張ってください。」と応援してもらいました。
それで自信を持って特許庁に商標申請をし、「酢ムリヱ®️」という言葉の登録が認められました。
また「これも日本語、あれもニホン語?」(NHK出版)という本にも次のように紹介されています。
酢ムリヱ®
デパ地下でのことなのですが、「酢クリエ」といっているのを聞きました。何を指している言葉なのでしょうか?
ワインを吟味する専門家を「ソムリエ」という。これをもじった「酢ムリヱ」が登場した。「酢ムリエ」とは果実の味が楽しめる酢、デザートビネガーの味わい方を店頭で客に説明する専門家のこと。新しい造語だ。
これを名乗るのは岐阜県にある内堀醸造常務の内堀光康さん。同社が2003(平成15)年2月、JR名古屋髙島屋にデザートビネガーの専門店「オークスハート」を出店したとき、内掘さんがソムリエのようにタキシード姿で店頭に立つようになったのがはじめ。本人の造語ではなく、常連客が「酢ムリエ」と呼ぶようになったという。2004年5月に商標登録した。 この新語は名古屋で起こり、次いで2004年9月1日に横浜の髙島屋に出店して関東に広まり、ついで、10月13日から16日まで大阪・難波の髙島屋に期間限定で出店して、テレビと新聞に紹介され、関西に知られるようになった。「酢ムリエ」とは、うまいネーミングだ。もじりは日本に昔からある言葉遊びの伝統で、オヤジギャグもこの系列にあるが、「酢ムリヱ」ならサムイとは言われないで済むだろう。
以後、酢を美味しく飲むというブームと「〇〇のソムリエ」という2つのブームが沸き起こり、飲む酢の市場拡大に貢献しました。
2005年日本橋タカシマヤ出店の際も、社会現象となり日経MJに、以下のように紹介されました。
「酢って、美味しい物、楽しい物」と語っていただけたら、あなたも酢ムリヱです。
全ての酢は平等で「酢は酢の上に酢を作らず、酢の下に酢を作らず」のもとに、
酢の普及運動を「酢ムリヱ活動」と位置付けています。
酢は、その使い方によって、それぞれに適した活躍のシーンを持っています。
その酢を活かす使い方をすれば、私たちはどんな酢も美味しく楽しむことができるのです。
ABOUT
酢ムリエによる酢造り
地球規模の原料探し
私たちの酢づくりは、
おいしい酢になる原料を探すところから始まります。
その為には、日本に限らず
世界の様々な場所にも、足を運んで参りました。
全てはお客様に、本当においしいと
思っていただける酢を届けるため。
酢ムリヱの選んだ醸造所
酢酸菌は、人と同じように空気を吸って生きています。
山あいを吹き抜ける澄んだ空気は
酢酸菌に活力を与えてくれます。
井戸からくみ上げた柔らかな水は
酢の酸味を穏やかに仕上げてくれます。
木曽川の上流にある岐阜県、八百津町の醸造所と、
標高740mを超える長野県、飯島町の醸造所は、
豊かな自然に囲まれた、豊富な資源溢れる場所。
酢酸菌が働きやすい環境を選びました。
酢造りに適した醸造所
酢を造る酢酸菌は、人と同じように空気を吸って生きています。
山あいを吹き抜ける澄んだ空気は酢酸菌に活力を与えてくれます。
井戸からくみ上げた柔らかな水は酢の酸味を穏やかに仕上げてくれます。
木曽川の上流にある岐阜県、八百津町の醸造所と、
標高740mを超える長野県、飯島町の醸造所は、
豊かな自然に囲まれた、豊富な資源溢れる場所。
酢を造る微生物との共同作業
酢づくりに必要不可欠な酢酸菌。
私たちは、酢の種類ごとに、それぞれの原料に合った酢酸菌を育てています。
たとえば、カカオの酢を造るなら、
カカオ専用の酢酸菌を育てて、カカオの酢を醸造します。
そうすることで、素材本来の味を最大限に生かした、
混じり気のない澄んだ香りの酢が生まれてくるのです。
RECIPE
お酢の楽しみ方
夏場における酢のお勧め保存方法
酢の品質を保存する際に基準にするもの
私は「香り」と考えています。
酢の特長を一言で表すとすれば、酸っぱいは口に入れてから感じる味です。
それ以前に脳に大きな影響を与えるのは、「香り」と思います。
酢と聞くと多くの人は、「ツンとした酢の香り、酸っぱい味」とお答えになる方が多いと思います。
もし、酢が香水のように心地の良い香りを持っていたら、酢の持つ世界はきっと大きく変わることでしょう。また、キレの良い柑橘の甘酸っぱい香りは、癒しの香りにも通じるものがあると思います。
酢も最近は発酵技術が進化し、随分香りの良い酢も出てきました。
そこで、酢を保管する方法として、酢の持つ香りを維持するひと工夫はやっておきたいものです。酢の保存方法次第で、酢の香りに悪い影響を与えてしまうケースがあるからです。
空気中を浮遊する野生の酢酸菌が酢の中に入り、活動をすることがあります。野生の酢酸菌が酢の表面で活動すると、多くの場合、汗臭い香りを出したり、白い膜のようなものができたりすることがあります。この場合、体に害はありませんが品質が落ち、風味が損なわれます。
野生の酢酸菌は空気中を浮遊しているときは、活動を停止していますが、酢の表面に付着すると空気を吸いながら活動を始めます。酢の物やマリネ、ドレッシングにもその香りが影響しますので、その酢はお料理には使えなくなってしまいます。
ここでは酢の香りに悪影響を与える目に見えない野生の酢酸菌が酢に付着しても、その活動を抑える方法を3つ紹介します。
冷蔵庫の中のように低い温度になれば、活動は抑えられます。
野生の酢酸菌が好む状況は、温度は30℃を超える条件です。
酢の液面を揺らしてあげると、野生の酢酸菌は活動が弱まります。
酢の表面に浮かんでいる酢酸菌は、酢の液面が大きく揺れると、酢酸菌の仲間はバラバラになり、酢酸菌の活動が弱まります。
酢酸菌は空気を好むので、呼吸が阻害されると酢酸菌はすぐに活動が弱まってしまいます。
塩を酢の中に入れます。
100mlの酢に対してひとつまみ(0.5%)程度です。
冷蔵庫に酢を保管しなくても、酢に付着した野生の酢酸菌の活動を抑えられる方法があります。酢に塩が入ることで酢の浸透圧が上がり、酢酸菌は水分が取られて活動が弱まります。(私達が海に長く入って、手がシワシワになる状態と同じです。人の目に見えないような小さな生き物は、水分が取られると元気に活動が出来なくなります)
野生の酢酸菌が酢に付着したかどうかは、透明だった酢が白濁したりして、嫌な香りを出すまでわからないのです。
野生の酢酸菌は、旨味を好みます。そのため、旨味のある酢や香りの良い酢であればあるほど、特に夏場における開栓後の酢は、出来れば冷蔵庫に保管され、時折酢の液面を揺らすことをお勧めいたします。